トヨタモビリティパーツ株式会社様
課題
他メーカーと自動車部品の共同配送を検討していたが、各社でシステム、ラベル、現場運用が異なっていた。高品質な共同配送を実現するためには、この課題を克服する必要があった。
解決策
各社で異なるシステムやラベルを統一することで、より効率的な業務環境を実現。煩雑な追加作業をすることなく、自社部品と同レベルの高品質な配送を可能にした。
配送品質を保ったまま、現場作業の効率化が日に日に進んでいます。 改善を重ねていけば、より使い勝手のいいシステムになると確信しています。
背景
ドライバー不足や環境保全対応などの物流課題を乗り越え、自動車修理部品を安定供給するため、他社共同配送を決定
現在、自動車部品の供給に欠かせない物流の世界では、ドライバー不足やCO2削減をはじめとする環境保全の対応などが喫緊の課題となっています。
お客様によりよいアフターサービスを提供し続けるためには、業界全体での物流ネットワークの効率化が必要と判断し、自動車メーカーの垣根を越えた補修用部品・用品の共同配送を決定されました。
「共同配送における一番の課題は、各社で使用しているシステムが違うため、ラベルや現場運用が異なることでした」と遠藤様。
効率的に配送業務が行える環境の整備と、他社の荷物もしっかりお届けできるように品質を担保するためには、配送管理システムの統一化が必要でした。
導入理由
パナソニックスタッフの現場理解の深さと、トヨタ標準出荷ラベルへの対応を評価
トヨタモビリティパーツ様(以下 TMP様)が配送管理システムの選定時に重視されたのは、”配送状況のリアルタイム把握”、“実績のエビデンス管理”、“トラブル発生時の迅速対応”、“他社部品のトヨタ標準出荷ラベルへの対応”の4点。
中でも“他社部品のトヨタ標準出荷ラベルへの対応”は、共同配送の品質担保において特に重要と遠藤様。TMP様では、トヨタ標準出荷ラベルのQRコードを端末で読み込み、荷物の情報を管理するシステムになっています。他社では異なる物流システムで運用しているため、トヨタ標準出荷ラベルと扱う情報が違うという課題がありました。この状態のまま共同配送を実施すると、他社の荷物を現場スタッフが目視確認することになり、ミスに繋がりやすくなります。この課題は、他社ラベルの情報をトヨタ標準出荷ラベルに変換し、自社システムでの管理を可能にすることで解決しました。また、業務効率化には、現場で使用する端末の読み込み速度や、駆動時間も、重要なポイントでした。
「システムはもちろん、提案してくれたパナソニックスタッフの現場理解が深く、こちらのニーズをよく汲んでくれたのも大きかった」と遠藤様。
「オリエンテーションでは、他社さんも含めてTMPの配送課題を伝えたのですが、パナソニックさんは説明を聞くだけでなく、実際にうちの倉庫で現地現物を確認しに来てくださいました。実際の現場を理解したうえで提案してくれていたことがよく伝わり、一緒によりよいシステムを作っていくためのパートナーとしてパナソニックさんと組みたいと感じました」。
導入後の効果
他社部品も自社システムで管理することで、配送品質を担保。配送見える化ソリューションと、故障しにくい頑丈端末で現場をサポート
配送見える化ソリューションを導入したTMP様の支社では、他社ラベル情報をトヨタ標準出荷ラベルに変換し、自社システムでの管理が可能になりました。他社の伝票を現場スタッフが目視確認するといった必要もなく、これまでと同様にQRコードの読み取りによって、滞りなく業務が行えているといいます。一番の懸念事項だった配送品質も問題なくキープできているとのこと。
これから長く運用していく中で出てきた課題は、パナソニックのスタッフと協力して解消し、さらによりよいシステムにしていきたいと遠藤様は語ります。
システム導入に不安の声もありましたが、導入後は逆に評価する声が届くようになったといいます。
「配送状況をリアルタイムに把握できる機能によって、お問い合わせに対するレスポンスが早くなったと好評です。端末も使いやすいとドライバーからの評判もいいですね。QRコードの読み取りスピードは早いですし、以前の端末のようにバッテリーが持たないという意見も聞かなくなりました。また、他拠点では2年以上の運用実績があり、そちらでは1台も故障していないので安心して運用できています」。
担当ドライバー様の声
テンキーを搭載した端末からスマホ型の端末になると聞いて、軍手で操作できるのか、扱いやすいのか、などの不安がありました。使ってみると、とても操作しやすかったので、現場のことをよく考えて作られた端末なのだなと感じました。
運行管理者様の声
他社荷物共同配送のシステム図
今後の展望
物流効率化、SDGsの実現に向けて環境負荷低減を加速。倉庫機能シェアリングにもチャレンジ
今後は、現在の共同配送の効果検証をしながら、対象エリアを全国まで拡大し、さらなる効率化として、倉庫機能(作業・保管)シェアリングにもチャレンジしたいと遠藤様。「今回のプロジェクトは、輸送手段シェアリングでしたが、倉庫機能のシェアリング(作業・保管)にも取り組んでいきたいですね。より少ないリソースで効率的な物流システムを構築することで、さらなる効率化、SDGsを視野に入れた環境負荷低減にも寄与できると考えています」。
パナソニックとの協力体制も、積極的に他分野に広げていきたいと遠藤様は話します。「まずは配送分野でよりよいシステムを作りたいです。具体的には、手書きの配送日報の自動出力や、配送履歴の検索機能、他社ラベル発行時のコード入力の効率化など、より現場運用に寄り添った機能を検討したいと考えています。また、将来的には、他分野でも協業して、自動車を愛用している全国のお客様によりよいアフターサービスを提供していきたいですね。」
お客様紹介
2020年4月1日に、全国33社のトヨタ部品共販と株式会社タクティーが統合し、トヨタモビリティパーツ株式会社として発足。トヨタグループの一員として、お客様に安全・安心かつ快適にクルマを使っていただけるよう、修理部品や用品を企画・販売し、お届けすることでクルマ社会・地域社会を支えておられます。
配送見える化ソリューション
ドライバー端末から配送実績をクラウド環境に保管することで、荷主や運行管理者はドライバーの状況をリアルタイムに把握できます。「見えない」を「見える」にすることで、配送業務の効率化やトラブル等の現場状況を把握でき、お客様へのスムーズな対応が可能になります。
4.7型頑丈ハンドヘルド タフブック FZ-N1
ハンディーターミナル・PDA・携帯電話の機能を1台に集約。従来、別々に用意してきた機材を1台に集約できます。利便性の向上はもちろん、組み合わせ利用にとる新たなワークスタイルの実現で、作業の合理化や迅速化も可能となります。また、機器の導入や運用のコストダウンも実現できます。約12時間駆動の標準モデル、約19時間駆動の大容量バッテリー搭載モデルを用意。